ブログ
プレス加工と板金加工の違いって?
プレス加工と板金加工で生産された製品は非常に見分けがつきにくいものですが、この二つの加工は似ていても全く違う加工技術で、加工する機械にもあきらかな違いがあります。今回はプレス加工と板金加工の違いについてお話いたします。
プレス加工と板金加工の製品の特徴は「薄肉」である点です。また継ぎ目がない製品が多い事も共通していますが、明らかな違いは金型を使っているか使っていないかにあります。実はプレス加工では金型を使用し板金加工は金型がありません。
さらに言えば板金加工というのは鍛造加工の一種で、プレス加工は塑性加工の一種です。あらかじめ生産したい製品の金型を用意して、金型の間に薄い金属の板を挟み込み、圧力をかけて金属板を金型の形にプレスするのです。
プレス加工ではせん断加工、曲げ加工、絞り加工ができ、金型も工程が一つしかない「単発型」複数の金型を使って加工する材料が進んでいき、順を追って製品の加工を行う「順送プレス」があり、この加工方法は大量生産に非常に長けた方法です。
そして単発型を並べた状態で順を追ってプレス加工を行う「トランスファープレス」という加工方法がありますが、これは順送プレスとは違って移動装置を使って加工を行う方法です。どちらかというと小さな部品よりも大きな製品の加工向きですね。
板金加工は似たような加工になっていますが、板金加工は金型があるわけではありませんので自動で加工するというよりも、人の手で加工するといった方がわかりやすいかもしれません。
ツールも金型のように専用のものを作るわけではありません。一つ一つを機械を操作して製品するので大量生産をするのには向いていないでしょう。また、一つ一つ加工しているので途中で変更箇所が出ても対応しやすいというメリットがあります。
このようにプレス加工と板金加工は似ているけれど、全く違う加工であるという事がわかりました。どちらで加工するのかについては製品の形状や数などを考慮して決定すると良いでしょう。