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切削加工における【切削温度】について
金属だけではなく、どんなものであっても高速でこすると熱が生じます。例えば金属を切削加工する場合、高速で回転している刃物、もしくは材料をチップなどで削っていきます。
削る時には金属の材料と切削する刃物がこすれるわけですから、熱を生じてしまいます。この熱を下げるために切削油というものを使います。
なぜ切削温度を切削油で下げなくてはならないのでしょうか? それは切削する時の切削温度によって、素材の性質を変えてしまう事があるのです。
さらにチップやドリルなどを切削油で冷やしながら加工しないと、あっという間に溶けてしまったり欠けてしまったりするのです。
製品の材料への高熱による影響も深刻ですが、チップなどのツールに与える影響はさらにひどく、それが不良品を作ってしまう原因となってしまう事もあります。
つまり切削温度が高いとツールやチップなどの刃物に悪い影響を与えてしまうのです。もちろん切削温度が上がってしまう原因は他にも考えられます。
それは、チップや刃物の切れ味が落ちたのに使っているとか、切削する素材によって切削油を変えてみる事も必要でしょう。
さらに切削を行う時に無理な切込みになっていないかや、回転数についても再検討する必要があるかもしれません。様々な要因が重なって切削温度が安定しない事もあるのです。
削っている金属によっては、切りくずが出る時の状態にも変化があります。アルミニウムならねじれたような切りくずになったりします。できたら細かくハネる切りくずになるようにするといいでしょう。
このように切削加工において、切削温度はとても重要な問題です。できるだけ金属にあった加工法(切削速度、回転数、チップの寿命、切削油)で加工を行うといいですね。