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進化する切削工具用コーティング技術について【切削加工】~1~
2019.07.12
【切削加工】
切削加工を行う時に使用するチップという工具は「刃先交換チップ」と言われる小さな刃物です。こうしたチップなどの工具はコーティングが行われていて、刃物のもちが良く加工できる個数も年々増えてきました。
コーティングされた切削工具が使われ始めたのは1960年代頃からでした。それまではコーティングの無いチップなどが使われていましたが、加工する材料が金属でチップも金属で作られているため、加工していると様々な問題が生じていました。
例えば切削する時の切削油や切削条件にもよりますが、切粉とチップが熱で反応して癒着してしまったり、切削する時の衝撃でチップが欠けてしまったり、切れ味が持続せずに数個で交換しなくてはならない事もありました。
そこで1978年ドイツで切削チップや工具にコーティングが施されるようになったのです。コーティングされているのは切削用のチップだけではなくドリルやエンドミルなどにも施されました。
切削工具用コーティングには『PVD法』と『CVD法』があり、PVD法にはイオンプレーティング法とスパッタリング法、そしてCVD法にはプラズマCVD法と光CVD法があります。
PVD法は400℃~600℃でコーティングされ皮膜が薄く0.5~5μmなので、チップなどの刃先Rが小さいチップへのコーティングに向いています。その分密着力がややCVD法に劣りますが、強度は高めという特徴を持っています。~2~へ続く