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進化する切削工具用コーティング技術について【切削加工】~2~
2019.07.17
【切削加工】
今回も前回に引き続き、切削工具のコーティング技術についてお話させて頂きます。
CVD法はおよそ1000℃でコーティングされ、チップの刃先Rが大きめのチップへのコーティングに向いています。密着力がとても高いので旋盤加工などの衝撃の強い機械加工用チップに使用されています。逆にPVD法でコーティングされたチップはフライスや高精度加工、ドリルやエンドミルなどに使われているコーティング技術です。
コーティングする事によって耐摩耗性や耐衝撃性に優れ、刃先に切粉などが溶けて癒着する事も少なくなりました。それにつれて加工可能な個数も多くなりコストの削減などにも貢献しています。ただし近年ではドライ加工や高速化が求められているので、切削工具用コーティング技術はさらなる進化を求められています。
例えばナノ超多層コーティング技術によって、クロムやシリコンなどを添加して、硬度も耐熱性もより向上したスーパーZXコートが開発され、硬度はこれまでの約3倍、耐酸化性は約2倍、速度は約3倍にも向上されました。
他にも潤滑性コーティング技術を応用したオーロラコートやマグネトロンスパッタリング法、アークイオンプレーティング法などに進化していて、切削加工をより快適に行えるようになりました。
もちろんこれからも進化を続けていく分野ですので、今後どのように進化していくのか、加工する側からすれば楽しみな分野です。
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