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金属の接合加工の種類
金属加工では金属を削りだす事だけが金属加工ではありません。
例えば『溶接』も金属加工の技術の一つなのです。加工で言うと金属と金属を接着する加工ですね。
さらに溶接の方法は一つではありません。
そこで今回はいくつかある溶接の方法を一つずつお話いたします。
まず金属を接着する方法には『接着剤接合法』『治金的接合法』『機械的接合法』の3種類です。
『接着剤結合法』
接着剤による溶接加工は気密性が必要な製品に最適です。例えば車のエンジンなどに使われているオイルシールなどですね。金属はそれぞれ溶融温度が違いますが、シールを使う事によって違う金属同士を密着させる事が可能になるのです。
密着性に優れているので漏れては困る液体(オイルなど)を閉じ込める時に用います。ただししっかりと密着できるまでの時間がかかるので、スポット溶接などを併用する事が多いです。
また、絶縁効果が得られるというメリットや変形しにくいというメリットもありますが、耐用年数のデータが少ないというデメリットがあります。
『治金的接合法』
この溶接技術は歴史が古く、日本でも刀を打つ時などにも活用されてきました。
2枚の金属の間に別の金属を熱して叩いて融合させます。
自由度が高く短時間で接合する事が可能な技術で、気密性に優れた製品に向いている溶接方法ですが、ひずみや残留反応が出る事があるので、高い寸法精度を維持する事が難しい技術でもあります。
高い密着度はメリットにもなりますが、解体する時に非常に困難で、破断してしまった場合に止まりにくいのでデメリットとしてもあげられます。
『機械的接合法』
一つ一つの部品をつなげる事を機械的接合法と言います。最もわかりやすいのはネックレスでしょう。鎖をつないで製品をつくりますが、機械的接合法の代表的な製品の一つです。
ただ金属同士を接合させる時にはリベットやボルトなどを使用します。
接合したい金属に穴をあけてその穴にリベットやボルトナットなどを入れて、熱して接合するというやり方をします。
飛び出た部分はカットしてしまう事でキレイな製品をつくる事が可能です。メリットとしては亀裂が入ったとしてもリベットやボルトの部分で止まるという点でしょう。
橋など強度が必要な建造物に活用されています。デメリットとしては強度を出すと重量が重くなってしまうという点、接合させるのに時間がかかるという点でしょう。その分コストがかかってしまうというわけです。
それぞれにメリットとデメリットがあるので、接合加工を行う場合にはどのような性質が必要なのかをよく考慮して加工を行う必要があるのです。