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ダイカストの抜き勾配について
2011.05.31
【加工について】
ダイカストの抜き勾配とは、金型などに砂を塗り鋳型を成形して金属鋳造品を作る際に、鋳物から金型などを抜きとるにあたってまっすぐ引き抜いてしまうとなかなか抜けなかったり、また形が崩れてしまったりするのを防ぐために、金型のサイズを少し大きめに作ることを言います。
例えば、直径が5センチ、高さが15センチある円柱形の鋳物を作るとします。
このサイズジャストで金型を作ってしまうと、金型が非常に抜きにくくなってしまいます。
ですから、金型の大きさは下底を直径5センチで、そして上底は直径5.5センチで作るわけです。
こうすれば、金型に少し勾配が付きますから、抜きやすく型崩れも防げる、というわけなんですね。
これをやるのとやらないのでは、生産性に大きく差が出ます。
抜き勾配をつけないというところはまずないでしょうが、もしつけなければ、時間もコストも大幅に負担になってくるのは、ご理解いただけるのではないでしょうか。
ちなみに上記のサイズは一例で、抜き勾配の計算方法は、湯口、鋳込み方向、取り数などによって違ってきます。
形状や加工温度、冷却条件によっては計算ともあわないこともありますから、経験がものをいうことも多いんですよ。