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技術情報・技術コラム
column

2022.04.06

ロストワックス鋳造によるアルミ鋳造

今日は「ロストワックス鋳造によるアルミ鋳造」と題してお送りします。

アルミの鋳造と言えば「ダイカスト」でしょ。とお考えの方は多いと思います。

確かに、世の中にあるアルミ鋳造品はダイカストが多いですね。

だがしかし、ロストワックス鋳造によるアルミ鋳造は、ロストワックス鋳造ならではの

メリットがあるんですね。

まず、ダイカストによるアルミ鋳造の課題を挙げてみましょう。

1.金型費が高い!

   ダイカストで本型製作すると高いですよね。

   太陽パーツの特許製法ダイカスト・カセット・システムなら本型の約半額。

   とは言え、やっぱりそれなりのお値段です。

2.なんといっても鋳巣

   やはりこの鋳巣にお悩みの方は多いのではないでしょうか。

   最近ではダイカストの技術革新も進んで、表面はとてもきれいになりました。

   でも、少し削るとすぐに巣が顔を出して、「使えないじゃん!」なんて経験ありますよね。

3.破断チル層

   意外と知られていませんが、アルミが金型に接触する場所ではチル層と言って

   比較的強度の強い層ができます。製品としてはこのチル層は強度が出で良いのですが、

   キャビティに入る手前の射出スリープ等でもできてしまいます。これが射出に伴い

   はがれてキャビティ内に入ると、厄介モノになるわけです。

   チル層についてはダイカスト鋳造コストダウンNaviの技術コラム

   「チル層の役割と破断チル層の対策とは」で詳しく説明していますので参考にして下さい。

これらの課題に対して、ロストワックス鋳造によるアルミ鋳造には大きなメリットがあるのです。

では、ひとつひとつ説明しますね。

1.「金型費が高い!」とは言わせない

   ロストワックス鋳造の金型は金属を流し込む金型では無く、ワックスモデルを

   製作するためですから、剛性はそれほどいりません。

   また、ダイカストマシンに重い金型を乗せる必要も有りません。

  (詳しくは、コラム「ロストワックス鋳造金型について」をご参照ください)

   ですから、金型費は数十万円ほどです。

2.「鋳巣がいっぱい」とは言わせない

   「ほんまかいな?」と思ったでしょうが、実はロストワックス鋳造の鋳型には秘密があるのです。

   意外とみなさん知らないんですが、ココだけの話、こっそり教えます。

   ロストワックス鋳造の鋳型はご存じのように、セラミックスの粉をまぶせてコートして行きます。

   ”天ぷら”や”トンかつ”みたいなもんですね。

   そして、乾燥させれば出来上がりますが、押し固めるわけではないので通気性があるのです。

   ダイカストではバリが出ないように、金型の合せ面などできるだけスミマを無くします。

   ただ、ある程度発生したガスをキャビティから出さないと行けませんから、ガスベントと

   言われる数十μm程度のスキマを極一部に設けます。

   でも、一部のガスベントではキャビティ隅々まできれいにガスや巻き込んだ空気を

   外には出せないんですね。これが鋳巣の大きな要因になっています。

   ところが、ロストワックス鋳造の鋳型では通気性がありますから、鋳型全面から

   ガスや巻き込んだ空気が出ていってくれます。

   つまり非常に効率よく細かな鋳形部分の空気まで出て行ってくれるんですね。

   その結果、鋳巣ができにくく、非常に密なアルミ鋳造ができるわけです。

3.「破断チル層」なんて怖くない

   ダイカストでは金型の温度は溶湯温度より低くないと固まりませんね。

   ですから、チル層は必ず発生します。また、ひとつの金型でサイクルを短くして、

   たくさん鋳造する事がダイカストのメリットですから、早くアルミを冷やさないといけません。

   ロストワックス鋳造では、焼成して真っ赤に焼けた鋳型に溶けたアルミを流し込みます。

   ですから、湯口にもチル層ができにくく、鋳型内にはがれたチル層が入り込んで

   悪さをすることがほぼ有りません。

   また、製品ひとつひとつに鋳型が存在しますから、サイクルを気にすることなく

   ゆっくり熱をさまして、固めれば良いですね。

   これによって、ヒケ巣などの発生も極力抑える事ができるわけです。

最後に

いかがでしたでしょうか。ロストワックス鋳造によるアルミ鋳造は、ダイカストのそれとは

違ったメリットがあるのです。もちろん精度的にはダイカストの方が優れるのは確かですが、

目標精度が許せるなら、ロストワックス鋳造のアルミ鋳造を試してみる価値はあります。

ロストワックス鋳造もダイカスト鋳造も双方取り扱っている「太陽パーツ」なら、

豊富な経験から、お客様に最適な工法のご提案をさせていただきます。

ぜひ一度、「太陽パーツ」にご相談ください!

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