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技術情報・技術コラム
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2026.10.02

ロストワックス鋳造と砂型鋳造の違いと使い分け|判断基準をわかりやすく解説

鋳造工法の選定において、「ロストワックス鋳造と砂型鋳造のどちらを選ぶべきか」という場面は少なくありません。どちらも金属を溶かして型に流し込む工法ですが、得意とする領域は大きく異なります。

本コラムでは、2つの工法の仕組み・特性の違いを整理し、用途・条件に応じた選択基準をわかりやすく解説します。

1. 2つの工法の仕組みをおさらい

ロストワックス鋳造(精密鋳造)

ロストワックス鋳造は、以下の工程で鋳造品を製造する精密鋳造法です。

  • 専用金型(圧型)にワックスを注入し、製品と同じ形状のワックスモデルを成形する
  • ワックスモデルをセラミックスラリーでコーティングし、焼成してセラミックシェル鋳型を作る
  • 鋳型を加熱してワックスを溶かし出したのち、溶融金属を鋳込む
  • 冷却後にセラミックシェルを除去し、製品を取り出す

セラミックシェル型は表面が緻密で熱に強いため、高精度・複雑形状・高融点材料への対応が可能です。

>>> 関連コラム:「ロストワックス鋳造について、基礎知識まとめ!」もあわせてご参照ください。

砂型鋳造

砂型鋳造は、砂を固めた型(砂型)に溶融金属を流し込んで成形する、最も歴史の古い鋳造工法のひとつです。

  • 木型・樹脂型などの模型を使って砂型を成形する
  • 溶融金属を砂型に鋳込み、冷却・凝固させる
  • 砂型を解体して製品を取り出す(型は使い捨て)

型費用が低く、大型・重量物の鋳造に対応しやすい工法ですが、表面粗さや寸法精度はロストワックス鋳造より劣ります。

2. 主要項目の比較

2つの工法を主要項目で比較します。

比較項目ロストワックス鋳造砂型鋳造
寸法精度高い(±0.1〜0.3 mm程度)やや低い(±0.5 mm以上が一般的)
表面粗さ(Ra)Ra 1.6〜6.3 μm程度Ra 12.5〜25 μm程度
対応サイズ小〜中型(概ね300 mm以下が得意)小型〜超大型まで対応可
複雑形状・アンダーカット◎ 三次元形状・中空にも対応△ 形状に制約あり(抜き勾配が必要)
対応材質鉄・ステンレス・アルミ・銅合金など幅広い鉄・アルミ・銅合金など(ステンレスは難易度高)
型費用(初期コスト)中程度(圧型製作費)低い(木型・樹脂型のため安価)
量産時の単価中〜やや高低〜中(ロット数により変動)
生産リードタイム(初回)4〜8週程度2〜6週程度(型が簡易なため)
二次加工の要否精度面によっては不要な場合あり精度面での追加加工が必要なケース多い

3. ロストワックス鋳造が向いているケース

以下の条件に当てはまる場合は、ロストワックス鋳造が適した選択肢になります。

  • 寸法精度・公差が厳しく、Ra値の小さい滑らかな表面が求められる部品
  • アンダーカット・中空・三次元複雑形状を含む部品(スライドコアでは対応困難な形状)
  • ステンレス(SCS13等)・炭素鋼・耐熱合金など、高融点の鉄系材料が必要な部品
  • 小〜中ロットで、複数品番を同時生産したい場合
  • 後加工を最小限にしてコストを抑えたい、外観品質が求められる部品
  • 食品機械・医療機器向けで、衛生規格への対応が必要な部品

太陽パーツのロストワックス鋳造では、産業機器・医療機器・食品機械向けの部品を中心に、幅広い材質・形状への対応実績があります。

▶ 製品事例・工法変換事例はこちら

4. 砂型鋳造が向いているケース

一方で、以下の条件に当てはまる場合は、砂型鋳造が適しています。

  • 大型・重量物の鋳造(300 mmを超えるサイズ、数十 kg以上)
  • 試作・少量生産で型費用を極力抑えたい場合
  • 形状が比較的シンプルで、精度よりコストを優先する場合
  • 鋳鉄(FC・FCD)など砂型向けの材質を使用する場合
  • 量産数が多く、単価の低さを重視する場合

砂型鋳造・グラビティ鋳造・石膏鋳造など、ロストワックス以外の鋳造工法については、鋳物の総合情報サイト「鋳物のイロハ Casting Navi」でも詳しく解説しています。

▶ 鋳物のイロハ Casting Navi(砂型鋳造 工法解説)はこちら

5. 本記事の要点まとめ

  • ロストワックス鋳造は精度・複雑形状・材質の幅で優位。砂型鋳造は大型・低コスト・シンプル形状で優位
  • 工法選定は「どちらが優れているか」ではなく、「部品の用途・条件に合うか」で判断する
  • サイズ・精度・材質・ロット数の4点を軸に絞り込み、判断が難しい場合は専門家に相談
  • 太陽パーツは複数工法を熟知した立場から、中立的な最適工法の提案が可能

ロストワックス鋳造を動画で解説

ロストワックス鋳造のメリットや事例、特徴を動画で解説しています。ぜひご覧ください。

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