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技術情報・技術コラム
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2022.12.02

真鍮のロストワックス鋳造

みなさん、こんにちは。ロストワックス技術コラムです。
今日は真鍮のロストワックス鋳造について、お話したいと思います。

1)真鍮とは

真鍮と言うと「南京錠」と「5円玉」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
できたての真鍮はまるで金のような色合いでピカピカで美しいですね。

でも、少し時間がたつと、酸化して「しぶーい」色になってきます。
これがまたいいんです!

というわけで、真鍮鋳造した製品に、表面処理を何もしないで
使われるものには香炉や燭台などちょっと高級な仏具に使われています。

年月がたつとしぶい色合いで歴史を感じさせてくれるのも良いですね。

また、錆びにくいため水廻りの蛇口や配管にも多用されています。
その他には装飾品にもよく使われています。

2)ロストワックス鋳造するメリット

ロストワックス鋳造ならどんな複雑な形状でも鋳造できてしまうのもメリットです。

さらに、真鍮は融点が950度以下なので、指輪や耳飾りなど小さな装飾品であれば、
大がかりな設備が無くとも鋳造可能です。

ですから、オリジナル商品やお客様のご要望に応じて鋳造してくれる
ジュエリーショップなどもありますね。

ただし、時間がたつと「しぶーい」色になりますから、表面処理が必要になります。
そこで、一般的にはメッキ処理になるわけですが、真鍮はメッキとの相性が良く、特に無電解ニッケルメッキや電気メッキが行えるので比較的お安く表面処理をおこなうこともできます。

見た目だけでなく「真鍮」という材料特性からもみていきましょう。

真鍮は黄銅とも呼ばれ、「銅」と「亜鉛」の合金になります。
この配合の違いで、真鍮にもたくさんの種類があるんですね。
メカ屋さんであれば聞きなれた、C3604も真鍮の一種になります。

C3604は快削黄銅と言われ、銅が57.0-61.0%、亜鉛は33.8-39.7%ですが、
快削性をよくするために、鉛を1.8-3.7%加えています。

ですから、精度よく切削加工できることもメリットの一つですね。
ロストワックス鋳造ではCAC203がC3604相当になります。

また、電気伝導性がよいため、電線をはじめコネクタなどの電気接続部品にも使用されます。
さらに熱伝導性もよく、錆びにくい特性とあわせて、調理器具や床暖房設備などにもうってつけです。

他にも、銅による殺菌作用も兼ね備えているため、医療機器などの部品にも採用されています。

また、比重が8.5g/cm3と、ステンレスの7.93g/cm3に比べても非常に重いため、
さまざまなメカニズムにおいても「重り」に使われたり、文鎮でも見かけますね。

このように非常に使い勝手の良い材料であり、古くは古代ローマ時代から人々に重宝された材料でもあります。

そこで、この真鍮という材料を有用に使うためには、アンダーカットがあったり、中空にしたりと
複雑な形状の部材を作る必要がありますね。

やはりここでは鋳造形状の自由度が大きな「ロストワックス鋳造」の出番となります。

ただし、前段で述べたように、真鍮は銅と亜鉛の合金ですね。
銅の融点は1500度以上で亜鉛は600度なんです。

ですから、あまり長時間溶融させていると、どんどん亜鉛は蒸発していきます。
工程でのスピードが大切になりますし、注湯時には押し湯を多くすることで亜鉛の蒸発を
回避しなければいけません。

ここは職人の腕の見せどころであり、ノウハウの固まりです。

最後に

というわけで、「真鍮の特性を活かした新たな製品を作りたいけど、どうしよう?」なんて
お悩みの方は、ぜひ一度「太陽パーツ」にご相談ください。
最適な製法で満足のいく製品を作り上げてみせます!

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