ロストワックス鋳造の試作について
今日は「ロストワックス鋳造の試作について」と題して、ロストワックス鋳造が試作に適している理由についてお話ししたいと思います。
このコラムを読んでくれている方なら、だいたい察しはついていると思いますが、それも含めて、さらに理解を深めてもらえたらと思い語ってみますね。
ハンドメイド段階
まず、試作と言っても製品の開発ステージによって試作部品に求められる機能は変わってきます。
開発当初に行うハンドメイドでは、可動部の機能性能や面粗さなどの仕上げはあまり求められないと思います。
つまりできるだけ費用をかけずに、当る摺れるの確認、形状確認、あわよくば基本機能確認ができるように作りたいですね。
それでも昔は作る手段が限られていたので、結局お金かけて、切削で1個か2個作るのがやっとだったんではないでしょうか。
今では3D_CADの発展とともに、光造形や3Dプリンターの登場で十二分にハンドメイド部品として目的を果たせるようになってきました。
さて、この段階でロストワックスをおすすめするかと言えば、いくら金型費が安いと言っても、それなりの金額とリードタイムが必要になります。ですから、このステージでは3Dプリンター使って下さい。
トライアルプロダクション段階
ハンドメイドが終わりトライアルプロダクションがスタートするかと思います。製品にもよるでしょうが、だいたい2回くらいやりますよね。
ここでは製品の機能性能を仕上げていく段階になりますから、部品の材料も精度も量産品を想定しての検討が必要になってきます。
板金などはレーザー加工もできますから問題ないですが、金属の構造体となるとプラスチックで代用するわけにもいきません。プラスチックで作るのも大変ですが。(笑)
そして、台数も1回目、2回目と増えていきます。製品によっては100台単位なんて事もあるんじゃないでしょうか。
「いやいや、まだ設計変更あるかもしれないから、それはできない。。。」
数台の試作段階
そんな時の救世主がロストワックスです。
数台の試作でよければ、ラピッドプロトタイピング法を使えば、ワックスモデル用の金型も作る必要がありません。
もちろん材料もマグネシウム以外なら、量産と同じものが使えます。
さらに精度のいる所は、機械加工できますから、その点も安心ですね。
「ラピッドプロトタイピング」は別のコラムで解説しているので、一度目を通してみてください。
数十台以上の試作
さらに、ステージが進んで数十台以上の試作になれば、ワックスモデル用の金型を起こして対応が可能です。
このワックスモデル用の金型で有れば数万円から数十万円でできてしまいます。
「いや、待てよ。設計変更も無いし、試作で使ったロストワックスでいいんじゃね?」
こんな上手い話はなかなか無いかもしれませんが、試作の機能性能を確保するための
確度が格段に向上すること間違いなしです。
>>ロストワックス鋳造でのコストダウンについて詳しくはこちら
最後に
いかがでしたか。ロストワックス法と言えばなんだか大層に考えられるかもしれませんが、ラピッドプロトタイピング法なら金型費は必要ないですし、ロストワックス法でも金型費は安く済みますから、このような試作段階での採用にも敷居は低いんじゃないでしょうか。
おそらく最初から選択肢に入っていないかもしれませんので、この機会に頭の片隅に入れておいていただき、いよいよ「トライアルプロダクション」って時には、太陽パーツにご相談ください!
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