ダイカストのハードスポットとは?
みなさんこんちは。
今日はダイカスト鋳造欠陥であるハードスポットについて解説します。
ダイカストのハードスポットとは?
ハードスポットは簡単に言うと鋳造金属を溶かす溶解炉に混入した異物や
溶湯を長時間溶解炉内に保有することで介在した酸化物が金型キャビティ内に
流れ込んで凝固する現象です。
この異物や酸化物ですが、鋳造金属より柔らかければ、それほど問題視される事も無く
スルーしてしまい勝ちでしょう。
ところが、ダイカストで最も用いられるアルミニウムは酸素と非常に新和性が良く、
酸化すると酸化アルミニウム(Al2O3)が生成されます。
Al2O3と言えば、そうアルミナですね。
ご存じと思いますが、アルミナの硬度はステンレス鋼の3倍、ダイアモンドにも匹敵する
硬さがあります。
このほかにも純アルミニウムよりアルミニウム合金を多く使用しますから、
さまざまな添加物質もあります。ですから、同じ様にさまざまな加合物が生成されることは
想像に容易いでしょう。
ハードスポットによる影響
さて、このような硬いアルミナや化合物があると何が悪いの?と思われるでしょう。
「アルミナなんて入っていたら硬くていいんじゃないの!」
いやいや、とんでもないんです。
ダイカスト製品って、精度の必要な部分は通常機械加工しますよね。
ところが、アルミナの塊なんて入っていたら、機械加工の刃物より硬いんです。
となると、刃物の破損に直結してしまいます。
こりゃ大変です。なんとか、不純物を除去しないといけません。
そこで、登場するのが溶解炉から金型へ溶湯を流す時にフィルターを設けます。
そうですね、ベタですが濾過するんです。
言うは易しですが、溶かした金属を濾過するって、普通に考えたらすごいですよね。
当然そのフィルターは700℃以上の高温にも耐えないといけません。
というわけで、これらフィルターは炭化ケイ素、いわゆるセラミックフィルターになります。
セラミックですからお茶碗と一緒で、焼物ですから少々の熱ではびくともしません。
このセラミックを複雑にからみ合せて孔を設けてフィルターに生成しています。
簡単に言うと、セラミックのスポンジみたいなものですね。
ですから、このフィルターの破損や目詰まりなどには、細心の注意をはらうことがとても重要になります。
さもないと、後工程で刃物破損など、直接的に製品の仕上りに影響を及ぼし
気が付かないと不良品の山を作ってしまいます。恐ろしいですね。
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