アルミダイカストにおける材料の種類
みなさん、こんにちは!
今日は「ダイカストの材料」について、詳しくお話ししようと思います。
「ダイカストってアルミでしょ?」と思われたあなた!
正解です。笑
でも、アルミにも色々な種類があって、それぞれの部材に必要な機能を
材料ベースで提供できるんですね。
それでは早速、「太陽パーツ」がご提供できる材料について紹介していきます。
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「ADC12」
Al-Si-Cu合金で、ダイカスト用アルミの中でも湯流れ性、切削性、全てにおいて高いレベルで
バランスの良い材料なんです。
なんと、世の中にあるアルミダイカストの90%以上は「ADC12」で鋳造されています。
特に特殊用途要望が無い限り、全ての産業の全ての部材に適用可能な万能材料と言えますね。
ただ、アルマイト施工性はよろしくなく、Si単結晶との反応で黒化しやすく、
均一な被膜形成が難しい材料なのでアルマイト施工する場合は、耐食性向上など加飾以外の
目的で施すになります。
特性
ヤング率:71Gpa
引張強さ:310Mpa
比重:2.68
熱伝導率:96W(m・K)
電気伝導率:23%(対銅)
「ADC5」
マグネシウムベースのAl-Mg合金です。アルミダイカストの中では最も耐食性に優れていて、
伸びや衝撃にも優れているので、強度が必要な時に使用する材料になります。
海中でも耐食性に優れるため、船の部品や船舶スクリューにまで使用され、農機具の植付け用のアーム、
バイクブレーキ、水回りのレバー等、特に屋外で使用される部材に幅広く使われています。
アルマイトの施工性にも優れ、加飾性だけでなく、耐摩耗性の向上、さらなる耐食性向上も可能です。
特性
ヤング率:-Gpa
引張強さ:280Mpa
比重:2.57
熱伝導率:96W(m・K)
電気伝導率:24%(対銅)
「ADC6」
こちらもマグネシウムベースのAl-Mg-Mn合金で、「ADC5」についで、耐食性、強度が優れています。
「ADC5」に比べ耐食性能は少し落ちるが、その分切削性、流動性がよくなり、耐摩耗性や機械加工性に
優れています。
その耐食性の良さから、船舶関連、自動車の外周部分、鍋や遊具など戸外での使用部材に適しています。
「ADC5」同様にアルマイト施工性にも優れ、加飾性だけでなく、耐摩耗性の向上、さらなる耐食性の向上も可能です。
熱伝導率も良い方なので、放熱の必要で耐食性の求められる部材に適しています。
特性
ヤング率:-Gpa
引張強さ:320Mpa
比重:2.65
熱伝導率:138W(m・K)
電気伝導率:35%(対銅)
「AC3A」
業界では「シルミン」という名前で呼ばれている材料です。かわいい名前でしょ。笑
Al-Si合金で、流動性、耐食性に優れていますが、耐力が劣るという特徴があります。
流動性が良いことから薄肉成形ができるため、強度をあまり必要としない複雑な形状や
彫刻模様の門扉やカーテンウォールなどに使用されることが多い材料です。
アルマイト施工性はあまりよろしくなく、表層のSi単結晶と反応し、SiO2が形成され黒化してしまいます。
特性
ヤング率:77Gpa
引張強さ:170Mpa
比重:2.65
熱伝導率:121W(m・K)
電気伝導率:31%(対銅)
「HT-1」
Al-Si-Fe合金で「AC3A」よりも流動性、耐食性に優れているが、シルミン同様に耐力が劣るという特徴があります。
熱伝導率がよく、流動性も優れていて、薄肉成形にも適しているため、ヒートシンク、放熱性を求める部材、
発熱する電子機器類、LED部材などの放熱材として適しています。
アルマイト施工性は、シルミン同様にあまりよろしくなく、表層のSi単結晶と反応し、SiO2が形成され黒化してしまいます。
特性
ヤング率:-Gpa
引張強さ:239Mpa
比重:2.65
熱伝導率:175W(m・K)
電気伝導率:42%(対銅)
「DM-2」
Al-Mn合金で「ADC6」に次いで耐食性に優れ、耐熱性、じん性、アルマイト施工性にも優れています。
熱伝導、電気伝導は優れているが、引張強度が劣るという特徴があります。
表面処理を施さなくても耐食性が良いことから、道路標識の固定部材や、亜鉛ダイカスト自動車部品からの
置き換えも多くあります。
また、アルマイト処理では銀色からゴールドなど美しい発色をするため、釣り具、装飾部品、
建具装飾品にも用いられています。
特性
ヤング率:-Gpa
引張強さ:157Mpa
比重:2.72
熱伝導率:113W(m・K)
電気伝導率:58%(対銅)
「ADC14」
Al-Si-Cu-Mg合金で、耐摩耗性に優れています。ただし、伸びが弱く、耐衝撃性は良くありません。
しかし、線膨張係数が小さく、高温下の強度が保たれるという特徴が有ります。
熱に強いため、クラッチ、カーエアコンシリンダー、自動車社内部品に多用されています。
鋳造性は一般的なADC12と同等の成形方法で鋳造できるが、溶湯温度を高く設定する必要があります。
アルマイト施工性、メッキ性にも優れています。
特性
ヤング率:81Gpa
引張強さ:-Mpa
比重:2.73
熱伝導率:134W(m・K)
電気伝導率:27%(対銅)
当社のアルミダイカストの製品事例をご紹介
電子機器用ケース
当製品は電流測定用の筐体です。砂型鋳造から特許製法のダイカスト加工に工法変換した事例となります。当事例のお客様は、ダイカストへの工法変換を検討されていましたが、年400個という小ロットであるため金型費用が割りに合わず、工法転換を断念されていました。そこで・・・
産業機器用ベース
医療機器に搭載されるベース(スイッチ周辺機器)について、生産工程をロストワックスから特許製法のダイカストカセットシステムに工法変換した事例です。当事例のお客様は、製造リードタイムの短縮、寸法精度や面粗度の向上、生産性の向上を目的にダイカストへの工法変換を検討されましたが、年600個という小ロットであるため金型費用が割りに合わず、ロストワックスによる生産を続けておられました。複数のダイカストメーカーにお声かけされましたが投資対効果が得られず、ダイカスト特許製法を持つ当社に御相談頂きました。当社は、特許製法であるダイカストカセットシステムを使用しての生産を提案しました。ダイカストカセットシステムでは・・・
最後に
いかがでしたか?
ご要望の材料は見つかりましたでしょうか。
「なかなか実際どうなのよ」と感じられた方は、ぜひ「太陽パーツ」にご連絡ください。
百戦錬磨の営業マンがお客様のご要望に最善の材料と工法のご提案をさせていただきます!
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