マグネシウム
マグネシウム合金は強度や放熱性、切削性などに優れた材質になります。剛性が優れている一方で軽い金属でもあるため軽量化ニーズのある製品に対して広く使用されています。また流動性が高いため鋳型に溶かした際に粘り気が少なく、薄肉加工もできるものとなっています。
マグネシウムを材料とする場合に選定される工法
- 石膏鋳造
- ダイカスト
- 砂型鋳造
マグネシウムの種類と特徴
マグネシウムは種類によって特徴が異なります。
各種特徴は以下の通りです。
▼ 横スクロールでご確認ください
材 質 | 特 徴 |
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AZ91B | AZ91B、もしくはMDC1Bは機械的特性に優れたダイカスト用のマグネシウム合金グレードの一つで、ダイカスト製法専用の合金となります。単に略してAZ91とも呼ばれます。 |
AZ91D | JISが規定される前はASTMのAZ91Dの名で知られている材料でしたが現在ではMDC1Dとも呼ばれるマグネシウム合金ダイカストの一種です。最もよく使われるマグネシウム合金ダイカストとなります。現在でもAZ91Dでの呼称の方が一般的となります。 |
AM60B | AM60BはMDC2Bの同等品となるマグネシウム合金のダイカスト品のことです。物性としては、伸びや靭性などの耐衝撃性のパラメータに優れたグレードですが、鋳造性にはやや難があります。 |
AS41B | ASTMではAS41Bとも呼ばれるMDC3Bはマグネシウム合金ダイカスト品のうち、高温強度に優れたグレードですが、鋳造性は若干劣る傾向があります。 |
AM50A | AM50Aはダイカスト用のマグネシウム合金のグレードで、MDC4と同等品です。伸び、靭性に優れます。鋳造性については劣ります。 |
AM20A | ASTMではAM20Aとなるマグネシウム合金はJISではMDC5と呼ばれます。伸びとともに靭性に優れるため、自動車部品にも使われます。 |
AS21A | AS21AはMDC6とも表記するマグネシウム合金の一つです。高温強度がよい反面、鋳造性が若干劣る傾向があります。 |
マグネシウム合金の特徴
1. 軽量である
マグネシウム合金は金属の中でも非常に軽いため軽量化などの要望がある際は活用される材質です。燃費性能の問題から自動車関連でも広く使用されます。
2. 薄肉形状が可能
マグネシウムは流動性が高く金型に溶かした際に粘り気が少ないため薄肉での加工が可能となります。
3. 放熱性
マグネシウムはアルミニウムより熱伝導率が低く、熱しやすく冷めやすい性質を持ちます。薄肉加工が可能なため放熱性を高めることも可能となります。
4. 振動吸収性
マグネシウムは振動吸収性が高いため、繰り返し運動や継続運動する部品などに使用すると、振動を吸収して製品寿命を長くする効果が得られます。