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材 質 material

銅は熱伝導、耐圧性、耐食性に優れており、強度、耐摩耗性が良い材質です。そのため電極部品や船舶部品、水道関係などの品に広く使われています。また青銅系や黄銅系など多くの系統があるためそれぞれが特化した性質を持つものとなっています。

銅を材料とする場合に選定される工法

  • 砂型鋳造
  • ロストワックス

銅の種類と特徴

銅は種類によって特徴が異なります。
各種特徴は以下の通りです。

▼ 横スクロールでご確認ください
種 類特 徴
CAC101CAC101は純銅をベースにした鋳物で、鋳造性がよいことが知られます。また導電性、熱伝導性が高いことは純銅と同様です。また100番台の中では電気伝導性が低めにはなるため、機械的性質も良いものになります。
CAC102CAC102は3種類ある純銅の鋳物のうち、CAC101より導電性と熱伝導性が優れています。ちょうど3種類の間をとったような性能をしています。機械的強度はCAC101より劣りますが、CAC103よりは優れたパラメータを持ちます。
CAC103CAC103は純銅系の銅鋳物の中でも導電性と熱伝導性が最もよいタイプの材料です。銅鋳物の3種とも呼ばれ、電気伝導率が高いレベルで求められる電気部品各種に使われるほか、通電サポートや電気用ターミナル、転炉用ランスノズルなどが用途としては知られています。
CAC201CAC201は黄銅系の銅の鋳物で、亜鉛をおおよそ15%程度に制御したタイプです。ろう付けしやすいことが知られ、用途としてはフランジや電気部品、色を活かした装飾品、装飾部品などがあります。
CAC202CAC202は黄銅鋳物の中で比較的鋳造が容易なことが知られています。YBsC2とも書き、黄銅の鋳造品の中では中くらいの機械的強度に落ち着きます。
CAC203CAC203は黄銅の鋳物であり、CAC202よりも機械的性質がよいことが知られます。3種類規定されている黄銅系の鋳造品としては、もっとも強度に優れており、建築用の金具類や電気部品、給水金具、排水金具としても使われることがあります。
CAC301CAC301は高力黄銅系の鋳物で、黄銅鋳物より強さや硬さに優れており、耐食性やじん性も良好な材料です。
CAC302CAC302は高力黄銅系の鋳物で、CAC301より機械的性質に優れており、耐摩耗性もよいことが知られます。
CAC303CAC303は高力黄銅系の鋳物で、CAC302よりも強さ、硬さ、耐摩耗性に優れた材種です。
CAC304CAC304は高力黄銅鋳物の中でもっとも強さと硬さに優れており、高荷重でも耐摩耗性に優れたパラメータを示します。
CAC401CAC401はバルブメタルとも呼ばれる青銅鋳物系の銅鋳物で、湯流れや被削性が高い点に特徴があります。バルブメタルの名称からも分かるとおり、バルブによく使われ、特に薄肉の鋳物が作りやすいという特徴を持ちます。
CAC402CAC402は青銅鋳物系のうち、耐圧性や耐摩耗性、耐食性に優れた特性を持つ鋳物です。機械的性質も青銅鋳物の中では優れています。耐食性は、耐海水性に特に優れているため、海水がかかわるポンプ部品などにも適用が検討されます。
CAC403CAC403は青銅鋳物系のうち、耐圧性や耐摩耗性、機械的性質の良好な材種です。くわえて、耐食性もCAC402よりも優れています。用途は似ていますが、耐圧が求められるようなバルブ、ポンプ部品、歯車や羽根車、電動機器部品全般が知られています。
CAC406CAC406はオンスメタル、鉛入りレッドブラスとも呼ばれ、青銅鋳物系のうち、耐圧性、耐摩耗性、被削性、鋳造性に優れた材種です。
CAC407CAC407は青銅鋳物のうち、機械的性質がCAC406より優れたタイプで、水蒸気用バルブ青銅とも呼ばれます。
CAC408CAC408は日本ではポピュラーな青銅鋳物系の材料で、環境負荷軽減を視野に入れた新しい材種です。
CAC411CAC411も青銅鋳物のうち、旧規格には存在しなかった新しいタイプの材種です。これは、改正された水道水中の鉛溶出基準に対応できるようにした新たな鉛フリー銅合金鋳物の一つです。
CAC502ACAC502Aはりん青銅鋳物で、耐食性や耐摩耗性に優れた材種として知られます。歯車やギヤ各種、ベアリング、ブッシュなどの用途に使われます。
CAC502BCAC502Bはりん青銅鋳物で、耐食性や耐摩耗性に優れた材種です。りんの量を先のCAC502Aよりも高めてあり、機械的強度の向上を狙ったタイプです。
CAC503ACAC503Aはりん青銅鋳物の一つで、硬さに優れるとともに、耐摩耗性がよいことで知られる銅合金鋳物です。
CAC503BCAC503Bはりん青銅鋳物の一つで、硬さと耐摩耗性の双方に優れる銅鋳物です。同じくCAC503Aに比べてリンの含有量が多いのが特徴で、これによって機械的強度、引張強さや耐力、硬度が向上しています。
CAC602CAC602は鉛青銅鋳物のひとつで、耐圧性や耐摩耗性に優れる材種です。用途は中速や高速のベアリングのほか、高荷重用の軸受け、シリンダーやバルブが知られています。
CAC603CAC603は鉛青銅鋳物の一つで、面圧の高い軸受に適しており、なじみ性が良好なことも知られています。
CAC604CAC604は鉛青銅鋳物のうち、CAC603よりもさらになじみ性に優れた材種です。中荷重用のベアリングや中高速のベアリングに使われるほか、車両用ベアリング、ホワイトメタルへの裏金の用途などが知られます。
CAC605CAC605は鉛青銅鋳物の中でも特になじみ性と耐焼付性に優れた材種です。あまり高い荷重のかかる用途には向かないため、主に中高速用軸受けや低荷重用の軸受けに使われます。
CAC701CAC701はアルミニウム青銅鋳物の一つで、強さやじん性に優れるとともに、曲げにも強い材種として知られます。他の物理的性質としては、耐食性、耐熱性、耐摩耗性、低温特性にも優れた特性を持つことが知られます。
CAC702CAC702はアルミニウム青銅鋳物の一つで、強さが大きいことと、耐食性、耐摩耗性に優れている点に特徴があります。船用の小型のプロペラやインペラ、軸受け、歯車、ボルト、ナット、安全工具類の用途が知られます。
CAC703CAC703はアルミニウム青銅鋳物の一つで、とくに大形鋳物に適したタイプです。強度が特に大きく、耐食性や耐摩耗性の面でも良好な性能を示します。
CAC704CAC704はアルミニウム青銅鋳物の一つで、単純形状の大形鋳物に適している銅鋳物です。強さに優れ、耐食性と耐摩耗性も高く、強度面で言えば、CAC703よりも機械的性質に優れた材種と言えます。
CAC801CAC801はシルジン青銅鋳物の一つで、湯流れの良さや強度、耐食性に優れた鋳造材料です。同系統の銅の鋳造品としては、特に伸びがよく、硬さには劣る傾向があります。
CAC802CAC802はシルジン青銅鋳物で、同じカテゴリーに入るCAC801より強さに優れます。シルジン青銅鋳物の中では、特に引張強さと硬度について他より優れている材種です。
CAC803AC803はシルジン青銅鋳物のひとつで、湯流れのよさや、焼なましぜい性が少ない点に特徴がある材種です。また鋳物としては強さにも優れ、耐食性も良好です。
CAC804CAC804はシルジン青銅鋳物のうち、鉛浸出量がほとんどないタイプで、湯流れについても良好な鋳造材料です。強さと伸びが大きいほか、耐食性も優れていますが、被削性についてはCAC406に劣ります。
CAC901CAC901は鉛浸出量のほとんどないタイプの鋳造材料で、鉛フリー化の流れの中で誕生したビスマス青銅鋳物の一つです。
CAC902CAC902は鉛浸出量がほとんどないタイプの材種で、ビスマス青銅鋳物という鉛をなくすことを主眼にした新合金です。CAC406と同等の機械的性質を持ちます。
CAC903BCAC903Bは旧規格にはなかった900番台の材料で、ビスマス青銅鋳物の一つで、鉛浸出量はほとんど見られません。CAC406と同等の被削性をもちながら、機械的性質についてもCAC406の金型鋳造とほぼ同じという材種です。
CAC904CAC904は成分にニッケルを含有することで厚肉鋳物の健全性を高めた新しいビスマス青銅鋳物です。
鉛浸出量はほとんどないとされ、耐圧性についてもCAC902と同程度に優れています。
CAC911CAC911はビスマスセレン青銅鋳物という新しいタイプの銅の鋳物で、水道水への鉛溶出などの問題から新水質基準鉛フリーのから誕生したものです。
CAC912CAC912は銅合金の鋳造品のうち、新しく作られたビスマス青銅鋳物系統のもので、高温環境下(100℃以上)での使用で特性が劣化しにくいタイプで、他の900番台の銅鋳物と同様に、鉛浸出量はほとんどない材種です。

銅の特徴

1. 電気伝導が良い

銅合金は他の材質より通電性が高いためスマートフォンの部品をはじめとして電子部品などに活用されています。

2. 熱伝導に優れる

また熱伝導が良いことから鍋やフライパンなどの調理器具やヒートシンクなどの部品にも使われています。

3. 耐食性に優れる

銅合金は耐食性が高く錆びにくい特徴があります。そのため水道部品や船舶関係の部品によく活用されています。特に青銅は水に対する耐食性が強いため広く使用されます。

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