ダイカスト金型の特徴
みなさん、こんにちは!
「ダイカストコラム」です。
今日はダイカスト金型に用いる材料についてお話ししたいと思います。
ここを訪れてくれている方々は、ダイカスト製品については造詣が深いと思いますが、
金型材料となると、なかなか話を聞く機会も少ないのではないでしょうか。
「金型なんて硬い金属だったら何でもいいんじゃね?」と思ってませんか?
以前のコラム「ダイカスト金型の設計・製作のポイント」でもお伝えしたように
確かに硬いですね。いわゆる工具鋼になります。
ただし、工具鋼といっても種類が有って、製品を鋳造するアルミ材料の種類や形状、肉厚によって
金型材料を変える必要が有るんですね。
鋳造材質による金型材料への影響
まずは、鋳造するアルミ材料の違いからお話ししましょう。
太陽パーツの扱う特殊なアルミダイカスト材である、「ADC5」「ADC6」、「HT1」 では鋳造温度が700℃を超えてしまいます。
当然、超高温のため高温に強い金型材料でないと寿命が短くなってしまいます。。
この金型材料がまたお高い!通常の材料より3割ほど高価なんですね。
お客様には申し訳ないですが、イニシャル費用が少しばかりお高くなってしまいます。
一般的に使われるダイカスト材料「ADC12」で有れば、鋳造温度が670℃くらいです。
ですから、一般的なダイカスト用金型材料で大丈夫ですね。
例を上げると、金型鋼材では有名な「日立金属株式会社」さま。いつもお世話になってます。
JIS規格の炭素鋼「SKD61」の中でも、一般的なダイカスト材料「ADC12」の金型は、商品名「DAC」を使用します。
一方、「HT1」や「ADC5」「ADC6」の金型では、高温強度重視と謳われている商品名「DAC10」を使用します。
さて、金型ができると焼き入れして、既定の硬さに仕上げて行くわけですが、
湯あたり部、つまり、溶けた金属材料を成形機から射出し、最初に金型のキャビティにぶち当たる場所ですね、
ここには常に最高温の金属が勢いよくぶつかって来ます。
想像しただけで熱そう!
ですから、この部分が最も金型として耐久性が求められるわけです。
ここでも以前のコラム「ダイカスト金型の設計・製作のポイント」でお話ししたように、
表面強度を上げるために、コーティングなどの表面処理を施します。
古くから有る窒化処理なども、方法としては有りますが、
弊社の金型には特殊なコーティングを施しています。
詳しくは極秘事項なので言えませんが、窒化処理などの方法に比べて、
3倍程度の高耐久化、高寿命化を実現しています!
また、この特殊コーティングは、寿命が伸びるだけでは無いんです。
表面の面精度が滑らかになり、鋳造製品の金型からの離型性が非常によくなります。
つまり、安定鋳造、歩留まり性良と、良い事づくめです。
また、きれいな鋳肌に仕上がるため、外観品質も美しくなるという、副次的な効果も有ります。
外観品質で悩んでいるなら、弊社にお声掛け下さいね。
この特殊コートは弊社だけの特徴ですから、「例のコーティングやってよ」と
耳元で囁いて下さい。笑
製品形状による金型材料への影響
続いて、製品形状による金型材料への影響を少しお伝えしましょう。
アルミダイカスト製品では、主に強度確保したい部材、複雑形状の一体化、複合部材の一体化、
大型部材の軽量化、そして放熱のための熱伝導部材といった目的が多いのではないでしょうか。
それぞれの目的に応じて、製品の肉厚が異なる設計になります。
一概にこの目的なら、「厚肉だ」とか「薄肉だ」なんて言えませんが、設計者の意図が反映されて
必要な肉厚が設定されているわけですから、それにお応えしなくてはいけません!。
ところが、鋳造時の冷却でこの肉厚の違いによって収縮の仕方が大きく変わりますね。
金属を溶かして固めるわけですから、肉厚が厚い場合には、あまりにも硬い金型材料ですと
収縮時に金型が頑として立ちはだかるために、製品自体にクラックなどが発生する可能性が有ります。
ですから、硬いけども靭性のある金型材料が適しています。
一方、薄肉の場合には、収縮量も少ないですから、薄肉製品自体が変形しないように
ガチっと金型で守ってやらないといけません。ですから、硬い硬い金型材料が向いていると言えます。
最後に
いかがでしたか?金型と一口に言っても、金型材料から様々なノウハウが詰まっています。
多くのアルミアイカスト材料を鋳造可能な太陽パーツだからこそ、多方面からの視点で
金型技術の向上を図っています。
美しい外観のダイカスト、特殊な材料のダイカスト、ダイカストカセットシステムによりイニシャルコストを
削減した小ロットダイカストなど、いろんなお客様のお悩みを解決致します。
是非、「太陽パーツのダイカスト」をお試しください!
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