アルミダイカストに使用される合金:ADC12
ADC12はアルミニウム合金の一種で、特に鋳造でよく使われている材料です。 主にアルミニウムに銅を混ぜて作られていて、強度、耐食性、鋳造性に優れているんです。 自動車部品や電子機器のハウジングなど、様々な産業で活躍しています。
ADC12の特徴
ではADC12にはどんな特徴があるんでしょうか?ADC12には以下の特徴があります。
優れた鋳造性:複雑な形の部品でも高精度で鋳造できるから、自動車部品や電子機器のハウジングにピッタリなんです。
良好な強度:アルミニウム合金なのに、高い強度を持っているので、丈夫な製品作りに役立ちます。
耐食性:酸化アルミニウムの保護層ができるので、錆びにくく、長持ちします。
熱伝導性:熱を伝えやすいので、冷却装置やヒートシンクにも使われることがあるんです。
加工性:加工しやすいので、切削や成形が楽に行えます。だから、製造コストの削減にもつながるんです。
軽量:アルミニウムがベースなので、軽くて強い製品を作ることができます。
これらの特徴から、ADC12は様々な産業で引っ張りだこなんですね。
ADC12に使われる表面処理
ADC12で鋳物を鋳造した後、特定の機能を得るために表面処理が施されることがあります。表面処理について説明します。
アルマイト処理:表面を酸化させて、さらに錆びにくくする方法です。アルミニウムの表面に酸化アルミニウムの層を作って、外部環境から守ってくれるんです。
粉体塗装:丈夫な塗膜を作るために、粉末状の塗料を使います。見た目を良くするだけでなく、雨風や摩擦にも強くなります。
メッキ処理:亜鉛メッキやニッケルメッキなどで、錆びにくさをアップする方法です。見た目も良くなりますよ。機械加工後の表面処理:切削加工した後に表面を仕上げることで、表面を滑らかにして、摩擦に強くします。
化学処理:表面をキレイにしたり、特別な性質を与えるために、化学薬品を使って処理します。(化成処理など)
これらの表面処理は、ADC12の耐食性や見た目、強度を向上させるために重要なんです。用途に合わせて、最適な処理方法を選ぶことが大切です!
表面処理については、以下のコラムで詳しく解説していますので、是非ご確認ください。
ADC12以外のアルミダイカスト合金
これまで説明した通り、ADC12は機能にすぐれ、ダイカストによく使用される合金です。ただ、アルミダイカスト合金はADC12だけではありません。
ADC10(A356):耐食性が高くて、優れた機械的特性を持っているので、航空機部品など、高性能な用途に適しています。
ADC9(A413):すごく錆びにくくて、化学薬品や水を使う環境でも活躍します。
ADC14(A380の変種):強度と耐久性をアップさせた合金で、特に高い熱伝導性が求められる時に使われます。
ADC15(A505):さらに強度が高いので、機械部品や構造物によく使われています。
これらの合金は、それぞれ特性や用途が違います。だから、具体的なニーズに合わせて選ぶようにしましょう。
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