特許製法のダイカスト鋳造へ工法変換し、コストダウンを実現! ダイカスト鋳造 コストダウンNavi

Produced by 太陽パーツ株式会社

ダイカスト鋳造 コストダウンNaviの
技術情報・コラム
ダイカスト鋳造にまつわる技術情報・技術コラムを掲載しています

ダイカストの湯まわり不良

2022.04.06

みなさん、こんにちは。

今日は「ダイカストの湯まわり不良」について解説したいと思います。

ダイカストでは、金型に溶けたアルミなどを流し込むわけですが、

狭ーい隙間に入っていかないといけません。

ですから、ちょっとしたことでも上手く流れ込んでくれないこともあるんですね。

わかり易く言うと、蟻の巣に水を流し込んでいる様なものです。

そう考えると、そんなに簡単に入ってくれないのが想像できるかと思います。

そもそも、その隙間には空気も入っていますから、その空気を押しのけて流れこんで

いかないといけませんよね。

そこで、業界用語的には「型方案」と言われるモノを考慮するんです。

その型方案には色々な手法があります。

ゲート

まず、一つ目は「ゲート」ですね。

ゲートはできるだけ厚みのある所で、流れる方向に距離がある方が良いです。

ですから、薄くて、目の前に壁のある様な所にゲートを設けると、

流れようと思っても狭い所から、広い所には流れにくいですし、

壁にぶち当たると、流れる速度も遅くなり、きれいに流れないですよね。

流すのは金属ですから、できるだけ一気に流れてくれないと固まってきます。

固まるとさらに流れる道が狭くなってしまいます。

ですから、狭くて細い所は最後に充填されるようにゲート位置を選ばないといけません。

溶湯は金型の固定側から入れる事になりますね。

ですから、部品キャビティの配置を間違うと、後戻りできませんから

金型設計時点で湯流れを頭でシミュレーションできることが重要になって来ます。

もちろん最近ではAIを用いた充填シミュレーションなども出てきています。

しかし、非線形のシミュレーションというのは難しいもので、

経験則とどちらが正しいかは、まだまだ不透明と言う所でしょうか。

スリーブ充填率

次に「スリーブ充填率」です。

この充填率は30%〜40%と書かれていたり、40%〜60%と書かれていたりと諸説ありますし、

会社によっても、製品によっても考え方が違うようです。

結局は、各社で製品に応じて経験から算出されて、最適化するということになりますね。

ベントオーバー

次に「ベントオーバー」です。

ベントオーバートは製品形状のままでは流れにくい部分の、さらに流れる先に余分な形状を設けて、

溶湯が必要な製品部分に十分溶湯が流れるようにしたものです。

もちろん、鋳型後にカットしなければいけませんが、湯まわりできずにショートショットしているより

遥かに良いですね。

でも、むやみやたらに付けると後加工でお金もかかりますから、ここも腕の見せ所になります。

また、溶湯まで流しませんが、発生したガスを抜くための「ガスベント」なども適宜設けます。

どういったものかと言うと、金型のあわせ面にわずかにスキマを設けて、

発生したガスや空気の逃げ道を付けるわけです。

このスキマは10μm程度です。

ですから溶湯が簡単に流れ込むことは難しいレベルなのですが、バリの原因にもなりえます。

場所によっては、バリ除去に手間がかかる可能性も有りますから、

どこにでも付ければ良いというものでもありません。

特許製法ダイカストカセットシステム

さて、金型設計技術的に対応ができましたね。

でも、当然現場の鋳造においても湯まわり不良の要因は付きまといます。

型締力による成形機の選択、射出圧、型温や冷却など様々なパラメータが存在します。

これについては鋳型する製品や材料などで、組合せは千差万別です。

つまり、鋳造技術者の経験が何と言ってもモノを言います。

そこで、「太陽パーツ」では、ご存知、「ダイカストカセットシステム」により、

年間100型以上もの金型製造と鋳造を行っている実績があります。

(一般的な同業他社では年間20型程度)

経験している数が多ければ多いほど、あらゆる課題の解決策を熟知しています。

もちろん、前半に説明した型方案を駆使して最適な金型を設計する上でも、鋳造技術に裏打ちされた情報が

フィードバックされる事は重要な要素となります。

こうして、鋳型素材の品質を確保した上で、後加工による見えないコストが最小限になるように、

金型設計者と鋳造技術者のコミュニケーションが可能なことが当社の強みになっています。

最後に

いかがでしたでしょうか。

ありがたいことに、「太陽パーツ」では、他社にはマネのできない面数の金型を製作し、

鋳造させていただいています。

そのおかげで、たくさんの経験をさせていただき、湯まわり不良だけでなく、様々な課題を

克服したダイカスト製品の供給をさせていただけています。

ダイカスト製品の不具合でお悩みの方は、ぜひ一度「太陽パーツ」にご相談ください。

きっと解決策をご提案させていただきます!

>>お問い合わせはこちら


お気軽にご相談ください

ダイカスト鋳造 コストダウンNaviは、
特許製法であるダイカストカセットシステムを軸とした他社には真似できない強みにより、
皆様に高品質・コストダウン・製造リードタイムの短縮といったメリットを提供します。

ご相談・お問い合わせはコチラ