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2026.10.02 消失模型鋳造

フルモールド鋳造とは?メリット・デメリットと採用判断の5つのポイント

フルモールド鋳造は、発泡スチロールで製品と同じ形状の模型を作り、砂の中で模型を消失させながら溶湯と置き換える鋳造方法です。「消失模型鋳造」「ロストフォーム」とも呼ばれ、複雑な3D形状や小ロット品の製造に活用されています。

模型を鋳型から抜き取らないため、一般的な鋳造法とは異なる形状にも対応できます。一方で、大量生産には向かないなどの注意点もあります。本記事では、フルモールド鋳造の特徴と採用判断のポイントを解説します。

フルモールド鋳造(消失模型鋳造)の仕組み

フルモールド鋳造では、まず発泡スチロールで製品と同じ形状の模型を製作し、砂の中に埋めます。その状態で溶かした金属を注ぐと、熱によって発泡スチロールが消失し、その空間に金属が流れ込みます。

冷却後に砂を取り除けば、模型と同じ形状の鋳物が完成します。

最大の特徴は、模型を鋳型から抜き取る工程がないことです。この仕組みによって、複雑形状への対応や設計自由度の向上につながります。

フルモールド鋳造の5つのメリット

1.複雑形状を一体成形しやすい

模型そのものが製品形状になるため、複雑な3D形状にも対応しやすく、部品の一体化にも適しています。

2.抜き勾配を必要としない

模型を抜き取らないため、通常の鋳造で必要となる抜き勾配を設ける必要がありません。

3.中子を削減できる

中空部や複雑な内部形状でも、中子を使用せずに成形できるケースがあります。中子の製作・セット工程の削減につながります。

4.設計変更に対応しやすい

発泡スチロール模型は金型や木型と比べて修正しやすく、形状変更が発生しやすい試作にも適しています。

5.試作の初期費用を抑えやすい

高額な量産金型を必要としないため、数個〜小ロットの試作では初期費用を抑えられる場合があります。

フルモールド鋳造のデメリット・注意点

一方、製品1個につき模型を1個使用するため、数量が増えるほど模型製作の工数も増えます。そのため、大量生産よりも試作や多品種小ロット生産に適した工法です。

また、発泡スチロール模型は砂を充填する際に変形する可能性があります。さらに、注湯時に発生するガスなどを適切に排出できなければ、鋳造欠陥につながるため、模型製作や塗型、鋳造条件にノウハウが求められます。

フルモールド鋳造が向いているか判断する5つのポイント

次の条件に当てはまる製品では、フルモールド鋳造が候補になります。

  • 複雑な3D形状をしている
  • 中空形状や一体化したい形状がある
  • 試作・多品種小ロットである
  • 今後、設計変更する可能性がある
  • 切削加工では加工時間やコストが大きくなる

一方、高い寸法精度や滑らかな鋳肌を優先する場合には、ロストワックスや石膏鋳造などが適することもあります。工法は形状だけでなく、数量・材質・精度・予算を含めて選定することが重要です。

フルモールド鋳造の製造事例

減速機向けケース|切削加工から工法転換

減速機に使用されるモーターケースです。複雑な3D形状のため切削加工では試作コストが高くなることが課題でした。

そこで太陽パーツでは、製品形状や数量を確認したうえで消失模型鋳造をご提案。高額な金型を製作することなく複雑形状を成形し、試作コストの低減につなげました。

▶ 減速機向けケースの詳細はこちら

フルモールド鋳造は複雑形状・小ロットの有力な選択肢

フルモールド鋳造は、複雑形状や抜き勾配を設けにくい製品、切削ではコストが高くなる試作品などに適した工法です。

ただし、製品によっては砂型鋳造・石膏鋳造・ロストワックスなどが適する場合もあります。

太陽パーツでは複数の鋳造工法から、製品サイズ・形状・材質・必要数量・予算などを踏まえて最適な工法をご提案しています。工法選定でお困りの場合は、お気軽にご相談ください。

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