ダイカスト試作の工法選定|石膏鋳造・砂型鋳造・カセットダイカストを比較
ダイカストは量産性や寸法精度に優れる一方、金型費用が高いため、試作段階では別の工法が選ばれることがあります。ただし、試作と量産で材質や製造方法が変わると、評価結果に差が出る可能性があります。
そこで今回は、ダイカスト量産前の試作に用いられる石膏鋳造・砂型鋳造・カセットダイカストについて、それぞれの特徴と使い分けをご紹介します。
ダイカスト試作は数量と形状から工法を選ぶ
工法選定では、まず必要数量が一つの目安になります。

少量・高精度の試作では石膏鋳造、大型・厚肉形状では砂型鋳造、300個以上の生産を見込む場合はカセットダイカストが候補になります。
石膏鋳造|少量・高精度・複雑形状の試作に
石膏鋳造は、本格的な金型を使用せずに鋳型を製作できるため、金型費を抑えながら高精度な試作が可能です。
薄肉、アンダーカット、抜き勾配ゼロなど複雑な形状にも対応しやすく、ADC12などのダイカスト用合金で試作できる点も特長です。量産品と同じ材質で評価することで、試作と量産で強度などの評価結果が変わるリスクを抑えられます。
砂型鋳造|大型・厚肉部品の試作に
砂型鋳造は、大型品や厚肉形状の試作に適した工法です。
太陽パーツでは、手のひらサイズから1,000mm程度、重量150kg程度までの製作実績があり、アルミ・鉄・ステンレスなど幅広い材質に対応しています。
薄肉・高精度を優先する場合は石膏鋳造、大型・厚肉を優先する場合は砂型鋳造と整理すると選びやすくなります。
カセットダイカスト|300個以上なら量産まで見据えて検討
300個以上の生産が見込まれる場合は、試作を別工法で行わず、最初からカセットダイカストを採用する方法もあります。
太陽パーツのダイカストカセットシステムは、共通ベース型を使用することで、従来のダイカストと比較して金型の初期コストを抑えられる工法です。
試作費用と量産用金型費用を合算すると、カセットダイカストの方がトータルコストを抑えられるケースもあります。
ダイカスト量産前の試作事例
ロボット向けリンクカバー|石膏鋳造

治療ロボットに使用されるリンクカバーです。少量の試作でありながら、寸法精度や表面品質が求められるカバー形状であったため、石膏鋳造を採用しました。
量産用金型を製作することなく、要求される形状・品質を満たした試作品を製作した事例です。
ダイカスト試作は量産条件から逆算して選ぶ
工法選定の目安として、5〜100個程度・薄肉・高精度なら石膏鋳造、大型・厚肉なら砂型鋳造、300個以上を見込むならカセットダイカストが候補になります。
ただし、実際には数量だけでなく、製品サイズ、材質、寸法公差、必要強度、予算、納期などを含めて判断することが重要です。
太陽パーツでは、石膏鋳造・砂型鋳造・ロストワックス・消失模型鋳造・ダイカストなど複数の工法を比較し、量産まで見据えた最適な工法をご提案しています。
どの工法が適しているか判断がつかない場合は、最適鋳造法選定サービスまでお気軽にご相談ください。



