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2024.10.14 砂型鋳造

砂型鋳造における鋳巣の発生原因と対策

鋳造(砂型鋳造)とは

鋳造とは、溶かした金属を型に流し込み、冷やして固める製法です。
中でも代表的な砂型鋳物は、砂で作った型を使い、溶けた金属を流し込んで成形する、最も古くから使われている鋳造方法の一つです。

砂型鋳物による鋳巣

砂型鋳造でよく問題となるのが「鋳巣(いす)」です。鋳巣とは、鋳造品の内部や表面に空洞ができる現象を指します。
鋳巣が発生すると、製品の組み立て後にエアーリークやオイルリークが発生し、製品として使用できなくなる恐れがあります。また、強度不足や破損など、さまざまな問題を引き起こす原因にもなります。

砂型鋳物による鋳巣発生原因

鋳巣は、代表的な鋳造欠陥のひとつで、その発生原因としては以下が考えられます。

  1. 溶解温度が高すぎる、または低すぎることでガスを巻き込み鋳巣が発生する
  2. 金属を流し入れる際に空気を巻き込むことで鋳巣が発生する
  3. 凝固収縮により金属の体積が減少し、内部に空洞ができ鋳巣が発生する
  4. 砂型の強度不足や水分含有量の問題で鋳巣が発生する
  5. 製品の肉厚が均一でないことで湯流れが悪くなり鋳巣が発生する
  6. 金型の設計上、特定の部分が早く固まることで鋳巣が発生する

このほかにも、鋳巣が発生する原因はさまざま考えられます。

砂型鋳物による鋳巣対策

鋳巣による製品の強度不足やリーク問題を防ぐためには、以下の対策が有効です。

  1. 湯の温度を適切に調整し、鋳造環境を整える
  2. 最適な量の溶解金属を供給し、凝固収縮による鋳巣の発生を防ぐ
  3. 湯道の取り付け方を見直す
  4. 押湯の配置や量を調整し、金属の流れを最適化する
  5. 凝固させたい部分に冷やし金などを設置し、凝固の管理を行う
  6. 金型製作時に流動解析を行い、湯の流れ方をシミュレーションし、適切な厚みと形状を確保する
  7. ガス抜きシステムの設置や脱ガス処理を施し、ガス対策を行う
  8. 砂型の強度を強化し、型を乾燥させて水分含有量を調整する

これらの対策により、鋳巣の発生を抑えることが可能です。



砂型鋳造に鋳巣はつきものです。原因は1つではなく多岐にわたっている場合があります。
リーク問題の事後対策として、含浸処理をするケースがありますが、当社では、出来る限り鋳巣が発生しないような製品構造の提案をさせていただきます。

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